Crystaline [クリスタライン]

スチームパンクファッションを普段着にしているWebデザイナー、Crystalineの日記。スチームパンクな自作アクセサリーやファッションについて発信しています。作り方やスチームパンクについての基礎知識も。

ゲーム好きじゃない人にも!スチームパンク入門「CODE NAME: S.T.E.A.M」の開発者コラム

2015年5月14日についに発売となった、Nintendo 3DSから発売の「CODE NAME: S.T.E.A.M」。"スチームパンクっぽい"ゲームは数あれど、スチームパンクと銘打たれたゲームはあまり数が多くないので、ゲームファンの間でも発売前から話題になっていましたね。
私はこの「アメコミ風」という絵柄と「シミュレーション」というゲームジャンルから食指が動かなかったんですが、先日このゲームのオフィシャルサイトで連載されていた開発者コラムが、大変スチームパンク初心者にやさしい解説的なコラムだと聞き読んでみました。
開発者寄稿コラム「日本でゲーム作ってます」- http://www.nintendo.co.jp/3ds/ay6a/column/index.html
「CODE NAME: S.T.E.A.M」の開発者コラム「日本でゲーム作ってます」
各章に分かれていますが、そんなにボリュームもなく、あっさり読めます。
著者は開発元の株式会社インテリジェントシステムズパウロ・パトラシュクさん。
先日ご紹介しました17世紀のシラノ・ド・ベルジュラックの書いたアンティークSFのおもしろおかしい部分、昨今の頭でっかちなSFとはまた違った、自由な発想で書かれた冒険科学小説である「スチームパンク」の魅力がかなり分かりやすいかたちで掲載されています。
スチームパンクって?」という人から「スチームパンク好きだけど、基本的な部分がモヤモヤしているので勉強したい」という人まで、かなり入門的なコラムなのでスチームパンカー必読です。
※「読まなければいけない」ということはなく、これを読むとよりスチームパンクが楽しめる、という内容です。

スチームパンクの魅力

コラムの第4回「なぜスチームパンクにしたか?」の部分では、私が思わず「そうそう!」と大きくうなづいた部分があります。
それは19世紀と聞くと、みんな思わず「古きよき時代」という風に思い浮かべがちですが、実はそうではなく人種差別や男女差別に加えて、階級による不自由などが当然のようにあり、産業の機械化によって公害なども発生した、あまり「古きよき時代」とは言えないものだった、という部分。
その時代をまさにユートピアに変える、時代を改変してしまうのが「スチームパンク」なのです。

「CODE NAME: S.T.E.A.M」リンカーンの立ち絵
突如現れたエイリアンに立ち向かうのはリンカーン
SFだからファンタジーは許されない?そんなことはありません。19世紀から考えた未来は本当にトンデモのオンパレードです。
コナン・ドイルユングニコラ・テスラが入れ込んだ妖精、降霊術などオカルティックな分野が発達したのも19世紀です。科学技術とオカルトが混在するスチームパンクの世界にはファンタジーやロマンがあってしかるべきだと私は思っています。
そういった私の主張にもぴたりとハマる見解が述べられていたので、とても嬉しくて飛び上がって喜んでしまいました。
またよく聞かれることのひとつに「スチームパンクの"パンク"とは?」というのがありますが、これも中で説明されている通り「社会的な反抗心、革命欲」といったものに近い精神のことです。
19世紀の風俗をそのままに、社会的な基盤を現在に合わせ、革命欲のあるキャラクターが活躍する、それがスチームパンクです。(だから多くの小説や創作物では「強い女性」というのがスチームパンクのひとつのアイコンになっているのかもしれませんね)
※ただコラム中には書かれていませんが、以前記事に書いた通り、スチームパンクで重要となる「スチームエイジ」、つまり蒸気機関主流の時代ですが、これは「近代化のシンボル」であることから、日本での「近代」は封建時代の江戸も含まれる19世紀初頭からではなく、明治政府樹立から第二次世界大戦終了までだと私は思っています。なぜならまだ江戸時代には近代化は進んでおらず、急激に人々の暮らしぶりが変化したのは実際には明治時代からだからです。

スチームパンクを知ってそれから

この開発者コラムを読んで「CODE NAME:S.T.E.A.M」を買うか!となるもよし、コラム中に出てくる面白そうな冒険科学小説を読んでみるもよし、もっともっと楽しいスチームパンク世界を思い描くもよし、その世界に見合った自分なりのスチームパンクを具現化させてみるもよし…。
ひと粒で二度美味しいどころか、これをおかずにご飯何杯も食べられちゃう感じですね!
こうやって分かりやすいスチームパンクの解説コラムが公開されたことで「CODE NAME: S.T.E.A.M」のみならず、日本のスチームパンクというカルチャーの裾野がもっと広がっていくといいな、と思っています。
SFといっても堅苦しくない、科学といってもどこかオカルトチック、小説だけじゃない、ゲームだけじゃない、造形やファッションまで。年齢も男女差も、階級も人種も言語も越えるという自由な風潮がスチームパンクなんです◎

「CODE NAME: S.T.E.A.M」のシステム説明
日本でも馴染み深いターン制のシステムだそう
あ、ゲーム紹介が遅れましたが「CODE NAME:S.T.E.A.M リンカーン vs エイリアン」は1人用のターン制シューティングシミュレーションバトル、とのことです。蒸気が入ったタンクが無くなると行動終了、となるところがターン制とつじつまが合っていて、とても面白いシステムですね。
ただちょっと12月まで予定がギッチリ入っていてしばらくゲームできそうにないので、しばらくお預けかな…。
まわりでは「スチームパンク好きなのに、持ってないの…?」と聞かれるほど、割と評判の良いゲームみたいですよ。
詳しい情報は以下の公式サイトから。