大学生時代に留学生と教授に聞いて驚いたこと
と言っても10年前ぐらいの話になるのですが、
中国と韓国の方が多かったのでよくお話させていただきました。
あとラテン系の外国語教授の方。
日本人は日本文化を知らない
中国の方は自国で(大連かな？)小学生の教師をされている子持ち(もちろん1人)の女性、
韓国の方は兵役を済まされた水泳が趣味の超絶なイケメン。
教授はラテン系のアメリカ人のおじ様。
全員に「日本に来てびっくりしたことは？」と聞いたところ、共通の回答は
「日本人はなぜ日本にいるのに三島も太宰も読まないのか！日本にいるのに日本文化を知らなさ過ぎてびっくりした。」
特に若者は日本には興味・関心がないのか、とも言われました。
それは、多分フリーランク大学という環境の悪さも問題かもしれませんが、特に日本に興味を持って来日された方は本当にがっかりされるそうです。
私自身は近代文学が大好きでしたので、少しは話をすることができました。
他に剣道や茶道を習っていたため、具体的な"ワビサビ"について語ると目をキラキラさせて耳を傾けて下さったのが印象的でした。
中国女性の話
「日本って本当に殺人事件とか交通事故のニュース多いですよね」
それは日本が物騒だっていうことなのか？と思い、「最近物騒ですからね。それでも昔は報道されない事件も沢山あったようですよ。」と答えたところ、
「違うの。何で人が1人死んだだけでニュースになるの？中国ならニュースにもならないよ。アパートで隣の人が殺されてた事もあるし、交通事故死なんて日常茶飯事だよ。」とのこと。
なるほど。確かに同年、私もオリンピック招致前の北京に滞在していた事がありましたが、車の普及率は上がっているのに、信号待ちをして横断歩道を歩いている人はごく稀でした。むしろほとんどの人は車の往来の激しい大通りを間合いを見計らって横断しています。
これは確かに交通事故死が起こらない方が不思議です。
小学校教諭とのことでしたので、中国の教育についても伺ってみました。
すると
「一人っ子政策って分かる？あれのお陰で小皇帝(一人っ子が故に大事に育てられ過ぎて自信過剰になってしまった子供のこと)が増えて、学級崩壊どころじゃないよ！親も一人っ子に何かあると心配でいられないから、少しかすり傷をしただけとか、授業中に叱っただけで両親・祖父母連れ立って抗議に来るから、教師はもう何も言えない。」
当時まだモンスターペアレントなんて言葉はありませんでしたし、やっと「学級崩壊」が社会問題化してきた時だったので、これもかなり衝撃を受けました。
10年前中国滞在時に驚いたこと
余談ですが自分がびっくりした事では、当時はまだ北京の発展ぶりが伝えられていなかったため、自転車大国ではなくなっていたということに驚きました。
そして市電のすし詰めっぷりが凄い。1車両に窓に顔がぴったりくっつく程の乗車率でした。
黄砂のせいか何かしらのガスのせいか、晴天時でも空は常に黄色でした。
北京市内の古民家(回廊式の伝統的な家屋)がショベルカーで壊されている現場にも遭遇。
おばあさんがショベルカーの前に立ちはだかって、何事か叫んでいました。
そう、まだ生活している民家を取り壊していたんですね…。
公園に卓球台と麻雀卓がある。その横で大人数で太極拳。高齢者であふれ返っている。
現地の人に聞いてみたところ、高齢者は健康の為に運動をしなさいという国からのお達しがあっての事らしいです。
あと現地で誰かと間違えられて、思いっきりにこやかに中国語で話しかけられる事が数度…。
純日本人ですが、私の顔立ちは中華系のようです。
韓国男性の話
超絶イケメンなので、さぞかし彼女がいるのだろうと思って聞いてみたところ「留学するから別れてきた」とのこと。
それだけでも「えっ！？」と思ったのですが
「どれだけ好きであろうと女性を何年も待たせておくわけにはいかないから別れた。その期間で僕よりももっと、もっと素晴らしい男性に彼女には出会ってほしいからね…大抵の留学生はそうしてるよ。それが韓国人の考え方だから。」
すごい、考え方までイケメンだ。
別の日に友達と数人でその留学生の寮に伺った際びっくりしたのが、化粧水・乳液・美容液・整髪料と化粧品がかなりの数揃っていること！
何これ！と驚いていたら「え、普通でしょ？」と。
今もオシャレに関心のある男性ならそうかもしれませんが、当時「男化粧」が流行っていて「男性の化粧についてどう思う？」というTV番組の特集が組まれていたほどなので、とても驚きました。
前述したように近代文学にどっぷり浸かっていた私でしたので、このイケメンっぷりはアリラン系なんだろうと、
「君は韓国でもアリラン系の人なの？」と聞いたら、「えっ、アリラン系？アリランって何？全然知らない。」とのこと。
あれ、韓国にアリランって民謡なかったっけ…私の説明の仕方が悪かったのか、韓国人は韓国人という民族意識があるのか、日本人が日本の事を知らないのと同じようなカルチャーショックを受けました。
兵役について
「韓国って兵役あるんだよね？軍隊に入ってどうだった？ていうか君美系だから男性ばっかりの間にいると、疑似同性愛の対象になりそうだよね…」と言っていたら、
「そうなんだよ…上官からお尻撫でられたり、今晩どう？とか聞かれて凄く嫌だった。逆らえないしね。勿論断ったけど！」
とのこと。やっぱりそういうのあるんですね…。
海水浴の写真見つけて「うおー！筋肉すごい！」と感動していたら、「うわああああ！見ないでー！！！やめてー！！！」とかなり恥ずかしがってました。男性でも上半身裸は恥ずかしいようです。
ラテン系アメリカ人教授の話
「人生って他人に言われた通りに動いて行ったら大抵上手く行くもんだよ！流されるのが一番楽だし確実だよ〜」というのが教授の口癖でした。
日本に来たのも、もちろん色々な経緯を経てですが「君こっちへ来て教えてくれないか」というオファーに悉くYesと返していたら、いつの間にか教授になっていたそうです。
当時20年は日本に滞在しているとおっしゃっていましたので、日本語は物凄く流暢ですし、教授だけあって日本文化にも大変お詳しい。大の三島ファンです。
毎回顔を合わせるだけでも「オー！あなた！今日は元気ですか？！」と気持ちの良い挨拶をして下さるかたでした。
暗い大学生活の中で教授の挨拶だけでもかなり救われました、感謝！
あと「日本って時間通りに電車来るよねー。あれすごい。うち(確かメキシコだったような…)帰って親戚に会う時なんて大変だったよ、もー。」とのこと。
確かに東京に来て思ったんですが、5分置きに来る山手線なんて人間が乗ってるのに「実は自動操縦なんじゃ…」と思ってしまうぐらいに正確に来ますね。
2,3分遅れただけで「電車遅れまして大変申し訳ございません」ってアナウンスがかかりますもの。
あとがき
当時もですが今も嫌韓、嫌中なんかがはびこっていますが、身近な中国人、韓国人の方と会話して独自の文化を知ることも大切だと思います。
来日されている外国人の方々は、日本が好きでこちらにいらっしゃるので、是非お話してみてください。
そういえば最近、死と毎日隣合わせの中国女性の話を思い出して「ああ、だから中国は刹那主義なんだな」と納得しました。
火鍋のスープが「化学火鍋」でも安くて美味しければ食べてしまうんです…。
【ソース】「食欲そそる？添加剤入り「化学火鍋」 儲け最優先で発色剤、粗悪油利用も (1/2ページ) - SankeiBiz（サンケイビズ）」http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110126/mcb1101260502003-n1.htm
中国は強盗に遭って殺されても臓器売買用に死体を買い取ってくれる所があるとかないとかなので、殺人事件すら「ない」んだなあとも思いました。
小皇帝だった当時の子供たちも既に大学や社会に出てきている頃ですし、どんな大人になっているのやら…。
「小皇帝」は日本で言う「ゆとり」かもしれませんね。
そういった俗称全般に言えることなのですが、「ゆとり」や「小皇帝」の中にもキラリと光るダイヤモンドの原石がいます。
他にもたくさんの人の話を伺って、偏った見方はしないようにしたいと思っています。
