Crystaline [クリスタライン]

スチームパンクファッションを普段着にしているWebデザイナー、Crystalineの日記。スチームパンクな自作アクセサリーやファッションについて発信しています。作り方やスチームパンクについての基礎知識も。

アラジンパンツとロングTシャツでカジュアルスチームパンク

Yahoo!オークションで度々お世話になっていた、 Spiralpeacokさんが「ショップを閉店、リニューアルオープンする為、在庫処分セールです。」とのことで、先日7枚ほどまとめてエスニックな服を買いました。夏場はやはり重ね着をすると結構暑いので、薄い生地のものやインド綿なんかの服を着たりすることも多いです。

エスニックなカジュアルスチームパンクファッション
上半身はこんな感じです。
Spiralpeacokさんで提案されているコーディネートとほぼ変わりませんが、こういうシンプルめのエスニックな服装には革小物やスチームパンクアクセサリーが合うので楽チンでいいですね。あまりお出かけにTシャツというか首回りに何もないものを着ることが少ないので新鮮です。

蝶番で作った腕時計バンドと仏具金具で作ったバングルの重ねづけがとても気に入りました。
全身の写真を撮り忘れたのでまた気が向いたときにでも全身写真アップします。

メイズランナーを観に行きました

話は変わって、今日は「メイズ・ランナー」を観に行きました。三部作の一作目だそうで、小説は未読なのですがあらすじを読んだ限りではかなり興味をそそられる内容だったので、観に行こうとなったわけですが…なんか服装的に「メイズ・ランナー観にきました!!!!」みたいな感じになってしまったのでちょっと恥ずかしかったです。

メイズ・ランナー
巨大迷路に囲まれた野営地でサバイバル。巨大迷路の先にあるものは…
というのも、メイズランナーの衣装がくたびれたカジュアル服に廃品を再利用したいわゆる「アップサイクル」な小物が多かったから。ランナーたちが着用している、リュックのベルト部分を再利用したような生地の背中に鉈を入れるための簡易なハーネス格好良かったですね。
スチームパンクというよりか文明の壊滅後的な描写でしたが、スチームパンク好きな人でも楽しめる映画かもしれません。
メイズ・ランナーのニュート役のトーマス・サングスター
ニュート役のトーマス・サングスターは25歳とは思えない容姿で"合法ショタ"として人気に
キャストの情報なんかも未見で観に行ったので「ああ、これがTwitterで話題の"合法ショタ"かー」と思いながらニュートを見ていましたが、本当25歳とは思えない感じの幼さでした。(綺麗な子ですが、あんまり話のメインという感じの役回りではなかったです)
観終わった感想としては、ちょっと尺が短いかな…という感じでした。内容的にラストにたどり着くまでが早すぎるような気がしてしまって、三部作と言わずもっと引き伸ばして内容を濃く見せたほうがもっとワクワクしたんじゃないかなあと。
観終わってから主人と「なんか若干進撃の巨人を彷彿とさせる感じだね」という話をしていましたが、原作の発表が2009年と両方とも同じ時期なので勘違いのようでした。映像化するにあたって少しは参考にした部分はあるかもしれませんが、この時期に同じようなモチーフを抱く何かがあった、と考えるとそれもまた面白いですね。
ラストに第二作目の最新映像が挿入されていますが、謎が謎を呼ぶ展開のようなので、ぜひ観にいきたいと思います。
※ジャンルはSFなのですが、ガチガチに設定の凝ったSFではなくファンタジー寄りなので、突っ込みどころは多々あります。目に見えるものを楽しむ、というにはかなり良い映画だったのではないかな、と。この世界の科学技術の進歩と衰退、合理性を考えると袋小路に陥りますよ。

ゲーム好きじゃない人にも!スチームパンク入門「CODE NAME: S.T.E.A.M」の開発者コラム

2015年5月14日についに発売となった、Nintendo 3DSから発売の「CODE NAME: S.T.E.A.M」。"スチームパンクっぽい"ゲームは数あれど、スチームパンクと銘打たれたゲームはあまり数が多くないので、ゲームファンの間でも発売前から話題になっていましたね。
私はこの「アメコミ風」という絵柄と「シミュレーション」というゲームジャンルから食指が動かなかったんですが、先日このゲームのオフィシャルサイトで連載されていた開発者コラムが、大変スチームパンク初心者にやさしい解説的なコラムだと聞き読んでみました。
開発者寄稿コラム「日本でゲーム作ってます」- http://www.nintendo.co.jp/3ds/ay6a/column/index.html
「CODE NAME: S.T.E.A.M」の開発者コラム「日本でゲーム作ってます」
各章に分かれていますが、そんなにボリュームもなく、あっさり読めます。
著者は開発元の株式会社インテリジェントシステムズパウロ・パトラシュクさん。
先日ご紹介しました17世紀のシラノ・ド・ベルジュラックの書いたアンティークSFのおもしろおかしい部分、昨今の頭でっかちなSFとはまた違った、自由な発想で書かれた冒険科学小説である「スチームパンク」の魅力がかなり分かりやすいかたちで掲載されています。
スチームパンクって?」という人から「スチームパンク好きだけど、基本的な部分がモヤモヤしているので勉強したい」という人まで、かなり入門的なコラムなのでスチームパンカー必読です。
※「読まなければいけない」ということはなく、これを読むとよりスチームパンクが楽しめる、という内容です。

スチームパンクの魅力

コラムの第4回「なぜスチームパンクにしたか?」の部分では、私が思わず「そうそう!」と大きくうなづいた部分があります。
それは19世紀と聞くと、みんな思わず「古きよき時代」という風に思い浮かべがちですが、実はそうではなく人種差別や男女差別に加えて、階級による不自由などが当然のようにあり、産業の機械化によって公害なども発生した、あまり「古きよき時代」とは言えないものだった、という部分。
その時代をまさにユートピアに変える、時代を改変してしまうのが「スチームパンク」なのです。

「CODE NAME: S.T.E.A.M」リンカーンの立ち絵
突如現れたエイリアンに立ち向かうのはリンカーン
SFだからファンタジーは許されない?そんなことはありません。19世紀から考えた未来は本当にトンデモのオンパレードです。
コナン・ドイルユングニコラ・テスラが入れ込んだ妖精、降霊術などオカルティックな分野が発達したのも19世紀です。科学技術とオカルトが混在するスチームパンクの世界にはファンタジーやロマンがあってしかるべきだと私は思っています。
そういった私の主張にもぴたりとハマる見解が述べられていたので、とても嬉しくて飛び上がって喜んでしまいました。
またよく聞かれることのひとつに「スチームパンクの"パンク"とは?」というのがありますが、これも中で説明されている通り「社会的な反抗心、革命欲」といったものに近い精神のことです。
19世紀の風俗をそのままに、社会的な基盤を現在に合わせ、革命欲のあるキャラクターが活躍する、それがスチームパンクです。(だから多くの小説や創作物では「強い女性」というのがスチームパンクのひとつのアイコンになっているのかもしれませんね)
※ただコラム中には書かれていませんが、以前記事に書いた通り、スチームパンクで重要となる「スチームエイジ」、つまり蒸気機関主流の時代ですが、これは「近代化のシンボル」であることから、日本での「近代」は封建時代の江戸も含まれる19世紀初頭からではなく、明治政府樹立から第二次世界大戦終了までだと私は思っています。なぜならまだ江戸時代には近代化は進んでおらず、急激に人々の暮らしぶりが変化したのは実際には明治時代からだからです。

スチームパンクを知ってそれから

この開発者コラムを読んで「CODE NAME:S.T.E.A.M」を買うか!となるもよし、コラム中に出てくる面白そうな冒険科学小説を読んでみるもよし、もっともっと楽しいスチームパンク世界を思い描くもよし、その世界に見合った自分なりのスチームパンクを具現化させてみるもよし…。
ひと粒で二度美味しいどころか、これをおかずにご飯何杯も食べられちゃう感じですね!
こうやって分かりやすいスチームパンクの解説コラムが公開されたことで「CODE NAME: S.T.E.A.M」のみならず、日本のスチームパンクというカルチャーの裾野がもっと広がっていくといいな、と思っています。
SFといっても堅苦しくない、科学といってもどこかオカルトチック、小説だけじゃない、ゲームだけじゃない、造形やファッションまで。年齢も男女差も、階級も人種も言語も越えるという自由な風潮がスチームパンクなんです◎

「CODE NAME: S.T.E.A.M」のシステム説明
日本でも馴染み深いターン制のシステムだそう
あ、ゲーム紹介が遅れましたが「CODE NAME:S.T.E.A.M リンカーン vs エイリアン」は1人用のターン制シューティングシミュレーションバトル、とのことです。蒸気が入ったタンクが無くなると行動終了、となるところがターン制とつじつまが合っていて、とても面白いシステムですね。
ただちょっと12月まで予定がギッチリ入っていてしばらくゲームできそうにないので、しばらくお預けかな…。
まわりでは「スチームパンク好きなのに、持ってないの…?」と聞かれるほど、割と評判の良いゲームみたいですよ。
詳しい情報は以下の公式サイトから。

Final Fantasy VIIがついに満を持してフルリメイク!

昨日アメリカで行われた「E3 2015」(PlayStation E3 EXPERIENCE 2015 Press Conference)にてついにフルリメイクが発表!Twitterでは「スクエニがついに伝家の宝刀を抜いたか」「遅すぎるぐらいだ」などの声もありましたが、FFシリーズの中でもスピンオフ作品が多数出るなど、未だ人気の高い作品なのでFFファンのみならず、全世界のゲームファンが喜びの雄叫びをあげたことでしょう!
以下の公開されたティザートレーラーをしかと目に焼き付けておきましょう。

1997年にPlaystation用ソフトとして発売され、今でも根強い人気のFF7
当時出ていた他のゲームの3Dグラフィックを使ったキャラクターと比べても、当時のFF7のキャラクターグラフィックは…げふんげふんだったわけですが、当時男性向け恋愛ゲーム(通称ギャルゲー)が人気だったこともあり、当時のRPGのビッグタイトルには珍しく、各キャラクターに恋愛パラメータが存在し、ムービーの美麗さも相まってやはり一線を画す一本でした。
恋愛パラメータは前作のFF6で好評だった会話の選択肢から各イベントの内容が変化する、というシステムに組み込まれ、好感度によってシチュエーションが変化したりも。
思えばPCゲーム時代から、マニアックの代名詞だった「ギャルゲー」が一般ゲーマー層にリーチした年でもあったんですね…。(ときメモ人気でしたね…。)
私を含め30代の人間には青春の一コマを飾るゲームだったということもあって、今朝から夜にかけて、FF7の思い出話やFF7大喜利などでもちきりで、TwitterのTLはまるで同窓会のようなにぎやかさでした。当時は周りにゲーマーがいなかったので、あまりこうしてワイワイ盛り上がる機会もなかったんですが、こんなに多くの人と同じ話題について盛り上がることができて、Twitterがあってよかったな、とちょっと思いました。
私はYsI、IIがリメイクされる度に思っていたんですが、やはりFF7に関しても「あの当時の不自由さ」「あの当時の"最先端"」を味わった身としては、リメイクでその「感動を味わえるか?」というところに疑問を持つ人もいるようで「どうせならリメイクされないまま自分の中で思い出をしっかりと大事に取っておきたい」という声もありましたね。
ですが、前述した通り当時格闘ゲームで既に見栄えの良い3Dグラフィックのプレイアブルキャラクターが使用されていたこともあり、一部で「ダルマ」と言われるあの個性的なフォルムは、当時からリメイク希望が出ていた(これもスゴいことですが)ので、やはりフルリメイクを喜ぶ声の方が圧倒的に多いのではないかな、と思います。
私はグラフィックもさることながら、バトルの要である「マテリアシステム」が凄く好きなので、インターナショナル版(ざんねんながら未プレイ)のように、面白い機能を備えたマテリアが追加になる、とか複雑な組み方のできるマテリア穴を持った新武器、のような要素があるといいかな、と期待しています。
あと某召還獣、強いですがゲームバランス壊してる気がするので私はもっとパラメータを下げてほしいですね…ウェポンのように戦略性のある戦い方が楽しめるボスが増えるのも楽しみです。
グラフィックとフルボイスが来るとなると、あのイベントやあのイベントはどう再現されるのか…といったシーンが多いですが、さすがに面白シーンを解説してしまうと、未プレイの方にネタばらしになってしまうのでここまで。
ちなみに3年前にアップした、この記事(FF7の「片翼の天使」の歌詞をはじめて知った - Crystaline:スチームパンクな淑女の叙事詩)を読んだことのある方ならご存知かと思いますが、この記事を書いた時点ではお恥ずかしながら私はまだFF7をクリアしていませんでした。
どういうことかというと、今日Twitterで当時のログを丁度漁っていたのでここにお見せします。
FF7のセーブデータを発見
PSのメモリーカードを整理中FF7の未クリアデータを発見
3年前の7月、FF タクティクスを久しぶりにプレイしようとメモリーカードを引っ張り出して来たのですが、そこに未クリアのFF7のデータを発見。(他に見えるアイコンはTOPがテイルズオブファンタジア、スライムがDQ7アーバインFF8、ピエロが花火、ちらっと映っているビビはFF9のデータです)
なぜ未クリアかというと、当時弟がFF7に夢中で従姉妹の家から借りて来てプレイしていたのですが、弟のクリア後、コンプ厨(道中の全てのアイテムをすっかり取っていかないと気が済まない性質)の私がもたもたしていたため、従姉妹から返却の催促があり、大空洞直前でさようなら、となってしまったわけです。
そこから新しくFF7を買うこともなく、十数年が過ぎ去った、という。
さらにそこから1年後、今から2年前ですが、ようやく秋葉原の中古ゲーム屋でFF7をゲット。(本当はDisc3しか要らないんですが…)クリアの運びとなったわけです。
FF7クリアに喜ぶ私
FF7クリアの喜びをしゅたいんちゃんに報告する私。
いや、でも「カウンター」マテリア増殖させまくりとか「Wしょうかん」「MPはんげん」「MPきゅうしゅう」「まほうみだれうち」「ものまね」あたりは本当にゲームバランス崩しますね。これらを全く使わなかった場合、逆にどれだけかかるんでしょう…それも気になるところ。
画像にもあるように、最大召還魔法が24発1ターンで打ててしまうので、さすがのセフィロスもぐうの音も出ないと思います。某最強召還獣を使わない縛りをしても楽しそうではありますね。
いろんな遊び方が出来て、ミニゲームの多かったFF7。本当にリメイクが楽しみです。
ちなみにまず対応機種はPS4からだそうですよ。持っててよかったPS4
参考:衝撃発表の『ファイナルファンタジーVII』フルリメイク作品の公式リリースが到着!【E3 2015】 - ファミ通.com

JR九州の職員で構成されたYOSAKOIチーム「櫻燕隊(おうえんたい)」が格好いい!

今日Twitterを眺めていたら流れてきたYOSAKOIイベントのとあるチームの写真。白手袋に制帽、長いジャケット、背中には…JR!?
https://twitter.com/okita8yuna/status/609624225737916416
調べてみると、JR九州の職員で構成されているチームとのこと。それでJRの文字が背中にあったんですね。それにしても格好良いユニフォーム。写真は先日行われた北海道の「第24回YOSAKOIソーランフェスティバル」に参戦した際のもののようでした。
※結果「JR九州櫻燕隊」はU-40で大賞だったそうです。おめでとうごさいます。
https://twitter.com/yys_tw/status/610068904505794560
こちらの動画を見ると、動きのキレ、それに合わせて翻るジャケットの裾、動きがよく分かる白手袋、そして後ろではためくJRの大旗がとても素敵。


こちらは同じく流れてきた2013年の福岡でのよさこいイベントの様子
動画を見る限り、制服組と和装組との2種類の服装の方がいらっしゃるよう。写真を追って見るに、制服の方の中にも女性が含まれているので、性別で分けられている、ということではないようです。いいなあ、私も櫻燕隊みたいな格好いい服装してみたい!
「制帽」+「ロングジャケット」+「ニッカボッカ」+「地下足袋」というところが、なんとも懐古的でミリタリーも感じます。
JR九州と言えば豪華寝台列車「ななつ星」といい、私たちのロマンをくすぐる何かがありますね。
Twitterでは櫻燕隊のユニフォームが「帝都物語」「帝都大戦」の加藤保憲に見える、といった話もありましたが、加藤保憲はジャケットではなくマントでした。
映画「帝都大戦」のポスター
帝都大戦 [DVD]

子どもの頃あの衝撃シーン(実際は夢オチですが)は夢に出るほど…
櫻燕隊、もし東京に来ることがあったらぜひ間近で見てみたいですね◎
Facebookページも要チェック!櫻燕隊 - Facebookページ

久しぶりに日記的なもの

よく見る夢がある。高校生当時の友だちと当たり障りのない会話をして、楽しくはしゃいでいる、というものなのだが、起きると無性に悲しくなる。なぜなら、その何でもない日常が過去のものであり、二度と戻らない日々だからである。
小中高と奇人とはいえ、物珍しさから友だちには恵まれ、周りには耐えず人が集まり、何か困りごとがあるとどこかから颯爽と誰かしら助けにきてくれる、という、他の人の話を聞く分にはかなり恵まれた環境だったようだ。
高校時代は誰もがそうであるように、人生の意味を模索し、それを友人と大真面目に語っては、人生最期の時をおぼろげに思い描いたりしていた。いわゆる高二病というやつだと思う。
当時家にまだ珍しかったCATVのインターネット回線が来たことで、毎日のように書いていた机の上のひとり言は、インターネットの掲示板に移動し、年配の諸先輩がたと交流するうちに、どんどんと色々な世界を知るに至った。
けれどまだテキストサイトすら検索してもあまりちゃんと体裁の整ったものが見つからないような時代だったので「インターネットにこそ真実が!」とはならず、ただただ人生の意味について四六時中語るのが常だった。
ありがちなことだが、明け方までIRCチャットに出没することも多くなり、寝不足の日が続く。同級生たちは日に日に鬱々としていく私を心配し、インターネットをやめるように説得する人も現れ始めた。
元々人にはあまり内面を見せず、机に延々と思ったことを書きつづっているような人間であったので「どこかに書き連ねた文章を誰かに読んでもらう」というのは大変な楽しみだった。
インターネットにハマると同時に携帯電話を持ち始めたこともあって、まだ文字数に制限はあったものの、学校を下校してから多いときは5分に1度の頻度でメールをやり取りする、というショートメールのヘビーユーザーでもあった。
今思うととても不思議なことではあるが、インターネットや携帯電話以前は手紙以外に音声を用いない相互コミュニケーションツール、というものが皆無だった。特に私のように喋ることに大変な労力を必要とする人間にとっては、紙や切手を必要としないテキストメッセージというのは、まさに文明の利器。
常に色々と考えてはいたものの、それをアウトプットすることはないので、ここまでの流れでお察しの通り、だんだんと依存していくようになった。
最初はあまり内面を話さない私が色々と吐露するので、大事に思ってくれていた友人たちだったが、徐々に共依存(お互いをお互いに束縛し合う関係)のような雰囲気になってしまい、最終的にはそのほとんどの人と号泣しながら決別するという、大変凄惨な結末を迎えた。その間は何でも話し合えてとても楽しくはあったけれど、とても重くツラい時間だった。
それから15年以上。あれだけ頻繁だったメールのやり取りは仕事を除いて日に1度書くか、書かないかというほどになり、当時はよく頻繁に長電話もしていたものだが、最近は着信にも気づかないほど電話を見なくなってしまった。親族との連絡もそんな感じなので、よく怒られている。
苦い経験を経て、人間関係の難しさに懲りてしまった、という感じなのかもしれない。人間と人間をつなぐ機械は恐ろしい。
そしてその後遺症とも言うべきか、未だに高校生当時のようなオープンな人間関係を築くことはできていない。
当時の知人たちとはどうしたか、というとたまに手紙(この時代にアナログだけれど)で連絡があったり、誕生日にSNSでメッセージを送りあったりするぐらいだ。
私が疲れ果ててしまったとき、一気にメモリを全消去するという暴挙に出て以来、誰の連絡先も分からないし、実家にたまに「連絡先を教えて欲しい」という人から連絡があるようだが、全部断ってもらうように伝えているせいもある。
思い出はたくさん残っているし、こうやって夢に見ることもあるから、寂しいわけではないけれど、よく見るということは当時の愚行を悔いているのは確かなようだ。
みんな許してくれているのだろうか。こういうと絶対に許してくれそうな気もするが、自分を罰するためにも、許されない方がいいのかもしれない。

当時よく聴いていたPizzicato Fiveの「華麗なる招待(The Great Invitations)」がよく頭の中をリフレインする。いい歌だと思う。
夢を見ている間は私は高校生で、あの日の会話の続きをまだ楽しんでいる。

シラノ・ド・ベルジュラック (1990年 仏)

私の好きな映画。大学生の頃夜中にテレビで放映していたものを観てからずっとお気に入り。『シラノ・ド・ベルジュラック』という17世紀に実在した、詩人で剣豪だった同名の人物を題材にしたもので、当時の風俗を再現した衣装と剣術のシーンが見応えあるのはもちろんのこと、それぞれの登場人物の心情を表す演出にグッとくる。
予めことわっておくと、その見た目の滑稽さからコメディと思われがちだが、コメディ要素は一切ないのでそういったものに期待するとがっかりするかもしれない。

あらすじ

シラノ・ド・ベルジュラック
孤高の騎士であり、詩人であり学者でもあるシラノ・ド・ベルジュラック
だがその人最大の障壁は大きすぎる鼻。
芸術や文学が物を言う、17世紀のフランス。シラノは口達者な大鼻の詩人であり、剣の達人なのだが、その元来の容姿ゆえに密かに想いを寄せているロクサーヌ(孤児でシラノの血のつながらない従妹。社交界の華。)に自分の気持ちを素直にできずにいる。そんな中、想い人であるロクサーヌに呼び出しを受けるシラノ。やっと人生の春が来たとばかりに浮き足立って喜ぶシラノだが、心に決めた人物がいることを打ち明けられる。
シラノとロクサーヌ
ロクサーヌから「話がある」と呼び出され、喜び勇んで会いに行くシラノだが…
またそのロクサーヌの想い人であるクリスチャンからはシラノはその従兄であり、名高き詩人でもあることから、ロクサーヌへの手紙の代筆を頼まれてしまう。かくして、世にも不思議な、男女3人が関わる恋愛劇が幕を明ける…。
シラノとクリスチャン
ロクサーヌに思いを馳せる美男の騎士クリスチャン

シラノ・ド・ベルジュラックの魅力

衣装デザインではアカデミー賞で衣装賞を獲得するなど、公開当時話題にもなった伝記映画であり、シラノ・ド・ベルジュラック自身死後から何度も戯曲として舞台化され、小説化、この映画以前にも1950年に映画化されるなどしている。
が、私が好きな映画としてこの映画を挙げると周りに知っている人は誰1人としていない、というほど知名度の低い作品だ。私は実はというと、先日日曜日(2015年6月7日)にDVDが届くまでこの映画は1度しか観たことがなかった。しかも録画もしていない。
私の特性をご存知の方なら納得して下さることと思うが、気に入った作品は最初から最後まで鮮明に覚えていることが多く、1度観ただけでも乱闘シーンの素晴らしさや、シーンごとの印象を何度も記憶の中で反すうすることができる特技がある。それだけ印象的な作品だということも言うまでもなく、今までに好きな映画を聞かれると、毎回細かく説明してその素晴らしさを広めてきたものだった。
誰よりも口達者で喧嘩っぱやく、孤高なシラノの1人の女性を思う純粋な気持ち、賢く気持ちを決して曲げないロクサーヌ、口べたで粗野ではあるが美男で心意気のあるクリスチャン。またその3人を取り巻く特色のあるさまざまな人物たち。平坦になってしまいがちな、伝記的恋愛潭をそうでないものにしているのは、この登場人物たちの性格の濃さによるところが大きいと思う。
またこの話をより魅力的にしているのが、この奇人ともいえるシラノ・ド・ベルジュラックが実在の人物である、ということだ。さすがに映画や戯曲、小説などではその人生に脚色はされていると思うが、こうして美談として語り継がれるほどの人物だった、ということは創作が今も続けられていることから読み取れる。
劇中のシラノも終盤、自分をソクラテスガリレオと同列に喩えているシーンがあるように、自分の雄弁さから敵をつくることも多かったようだが、それでも民衆にこうして親しまれているのは、権威やルールに縛られず、自分を貫き通した意思の強さによるものだろう。(Wikipediaなどで調べると、実際のシラノは権威に巻かれるべく、一度自分の意に反した論文を出し、その後覆すといった行為をしたおかげでたくさんの敵を作りもした)
17世紀の衣装も素敵だけれど、きらびやかで華やかな雰囲気ではなく泥臭く、史実に沿った時代劇といった趣なので、ただ綺麗なだけじゃない、ただ話があって終わりがある映画ではないものが好みの方はぜひ。

シラノ・ド・ベルジュラックとSF

この『シラノ・ド・ベルジュラック (1990)』の劇中でも当のシラノの口から死後親交の深かったル・ブレが出版した著作『月世界旅行記』の一端が語られるが、実際シラノは『月世界旅行記』、『太陽世界旅行記』というものを執筆している。それぞれ1656年、1662年に刊行され、17世紀ながらSFの先駆けとなるものとされている。
劇中"うつけ者"のフリをして月からやってきた人間と自ら名乗るシラノだが、その月世界への行き方がまた面白いので必見。

17世紀のSFはレトロフューチャーの中でも何に分類されるんだろう。やっぱりアンティークSFだろうか。
スチームパンクはもちろんのこと、私の興味はほとんどアンティークSFにあるので、月の満ち欠けで潮が引くことをヒントに、干潮を見計らって海面に浮かび、髪の毛を月に牽引させて月面に着陸しようとする話、夢があって好きですね。
今なら「そんなわけないやろ!」で済まされてしまいそうだけれど、17世紀ならSFだった、というところがまた。
19世紀のSFであるところのスチームパンクなものに対しては「"意味"がない」(現代の科学技術からすると構造的に無理なものがあったり、魔法的なものも登場するため)と言われることもあるけれど、このようにアンティークSFには現代から見たら面白おかしく思えるファンタジー要素があってもおかしくはない。
大学時代に感銘を受けた映画の題材となった人物が17世紀当時SFを書いていた、という事実をここ数日で知り、驚くとともにやはり好きな物には何かしら共通点がある、ということで納得もした。
シラノ・ド・ベルジュラック』というロマンチシストとロマンティックな映画を通して、改めてアンティークSFの良さに浸る事のできた一日でした。

カジュアルな服装にこそスチームパンクアイテムを

昨日TwitterFacebookにアップしていた写真ですが、意外と反響が大きかったのでこちらにも掲載したいと思います。
この間、デザフェスの出展ブースのお手伝いをしてくれたへだちくんが「自分の手持ちの服に合うかどうか分からないって言う人が多かったから、ゴーグルチョーカーこそ、カジュアルな服装と合わせるとどうなのか、見てもらった方がいいのでは?」と言うので、家着にゴーグルチョーカーを合わせている状態を写真に収めました。

ゴーグルチョーカーでカジュアルスチームパンクファッション
家からあまり出ない日はこんな感じの服装です。
ちょっと近所に買い物に、とかお昼を食べに、という時はこんな感じの時が多いです。
お出かけ着(いつもの派手な感じ)だと逆にアクセサリーが埋もれてしまうので、調和は取れますが、アクセサリーを主役にしたい時はこんな風にカジュアルでシンプルめの服に合わせると◎
よく「スチームパンクファッション初心者向けの記事を」という要望をいただくんですが、お出かけ着のスチームパンクファッションではなく、こうやって私としては家着のつもりのカジュアルな服でスチームパンクファッション寄りにどう出来るか、といった記事が望まれているのかな、という気がしました。
これからもちょくちょくこういったカジュアルめの服をアップしていこうと思います。